令和3年活動報告
埼玉県は大消費地の東京に近く、日照時間が長く自然災害が少ないなど恵まれた自然条件を背景に花植木の生産が盛んにおこなわれています。平成30 年の産出額は花き160億円、植木類は15億円で全国第4位の産地です。1世帯あたりの切花の購入額は平成9年のピー ク以降は減少に転じており、鉢花や花壇苗を含む園芸品・園芸用品の購入額も平成11年をピークに減少に転じています。この要因としては景気の低迷と若い世代を中心に花を楽しむ生活から離れていること等が考えられます。また、植木類においてはマンションなどの住宅事情、生活の多様化などによって需要は減少傾向です。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大による冠婚葬祭等 のイベントの中止や生花店等の営業自粛によって、花き産業を取り巻く環境は低迷しています。先の決算特別委員会農林部の審査において①イベントでの花装飾を拡大すること②花育など、若年層に対して花と触れ合う機会に取り組むこと、を改善または検討を要する事項で取り上げました。
日本の女医第1号の荻野吟子、幼くして視覚に障害を持ちながら群書類従を刊行した塙保己一、近代日本経済を築いた渋沢栄一は埼玉県の3偉人です。県では栄一の軌跡と共に観光振興に予算を支出していることから、NHK大河ドラマ「青天を衝け」で脚光を浴びている渋沢栄一記念館・生家(中の家)・大河ドラマ館を会派で視察しました。渋沢家は藍玉の生産で約10億円の年商(現在の価値)がある裕福な家庭でしたが、利益より道徳を重んじる教育方針であったようです。大河ドラマ館は改修などで市が約4億円の予算を投じたようですが、まさに公益を重視した論語と算盤の考えです。公益を追求する道徳と利益を求める経済が事業において両立しなければならないとゆう渋沢翁の教えは行政運営にも共通するものだと思います。
新型コロナウイルスの拡大によって昨年4月7日に7都府県に緊急事態宣言が発出され、同月16日には対象が全国に拡大された。自粛の影響を受けた国民には特別定額給付金や子育て世帯への臨時特別給付金などが支給され、事業者については持続化給付金や感染防止協力金(時短営業協力金)、家賃支援給付金、雇用調整助成金などの支援がなされてきた。そして、昨年12月からの感染再拡大によって1月7日には2回目の緊急事態宣言が発出されたが、60歳以上の新規感染者の増加や重症者数の減少にはさらに時間を要し、医療提供体制への影響が懸念されることから10都府県については3月7日まで期間が延長された。この2回目の緊急事態宣言では感染リスクの高い場所に絞って効果的・重点的な対策を講じるために飲食店における営業時間の短縮や酒類の提供時間を制限する要請をおこなったことで飲食店には事業規模や売上高の制限なく宣言対象地域には1事業所あたり1日に6万円の協力金が支払われた。しかし、日中も含めた不要不急の外出と移動の自粛・制限等によって飲食事業者以外の関連業者や小売店にも売り上げの減少等大きな影響があったことで、事業の継続に向けた支援が必要であった。そこで、政府は「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時金」として、前年または前々年比50%以上売上が減少した事業者に対して中小法人等60万円、個人事業主等30万円の支援を決定したが、事業規模を含む売上高に相応した支援が必要である。また、申請に必要な確認書類として確定申告書や売上台帳、帳簿、納品書等などを義務づけたことは感染防止対策協力金と比較すると確認書類の多い申請となっている。本県の平成28年経済センサスによる産業大分類別事業所数は、最も多い業種が卸・小売業で約56,000事業所、宿泊業・飲食サービス業が約27,000事業所、製造業が約26,000事業所、建設業が約25,000事業所であり、これらの業種だけでも本県の6割弱を占めている。また、東京商工リサーチ埼玉支店の集計によると、2020年に県内で休廃業・解散した企業は2,115件と対前年比15%増えており、2,000件を超えたのは調査開始以来で過去最多を更新した。①事業規模や売上高に応じた支援金に拡充を図ること。②50%の売上減少に満たない事業者に対して、新たな支援制度を創設すること。③申請書類に対して柔軟な対応をおこなうこと。④事業の再開と継続に向けた融資枠の拡大など今後の支援を継続すること。⑤NPO法人や組合等、影響を受けた団体にも支援策を講ずることが重要です。なお、申請はWEBページで3月上旬からの予定です。